MCPとは?簡単にいうと何?
MCP(Model Context Protocol)とは、AIと外部のツールやデータをつなぐための共通のルール=標準プロトコルです。Anthropic社が2024年11月に発表し、OpenAI(ChatGPT)も2025年3月に対応を表明したことで注目が急上昇しています。
MCPは、AIが自らインターネット検索を行ったり、PC内のファイルを操作したり、Google DriveやSlackにアクセスしたりと、**人間がしていた複数の作業をAIに任せられるようにするための“インターフェース”**です。
例えるなら…MCPは、AIに“リモコン”を持たせるようなものです。
これまではAIに話しかけるだけで完結していましたが、MCPを使えばAIがそのリモコンを使って、パソコンやWebサービス、クラウドアプリなどさまざまなツールを遠隔操作できるようになります
たとえば:
- テレビ(=カレンダー)をつける
- エアコン(=Gmail)を操作する
- 録画予約(=ファイル作成)をする
といったことを、AIが“ボタンひとつで”やってくれるようなイメージです。
MCPの仕組みと役割
MCPの構造は、次の2つの主要な要素で成り立っています:
要素 | 役割 |
---|---|
MCPホスト | ClaudeやChatGPTなど、AIアプリ本体。ユーザーの指示を受け取る側。 |
MCPサーバー | 外部のサービスやツールとやりとりするための「窓口」。軽量なプログラムとして構築可能。 |
仕組みの流れ
- ユーザーがAIチャットに指示する(例:「来週の旅行を予約して」)
- MCPホストがその内容を理解し、必要な外部ツールを判断
- MCPサーバーを経由して、カレンダー・メール・予約サイトなどを操作
- 結果がまとめられてユーザーに返ってくる
MCPでAIができること(活用例)
MCPによってAIが「能動的に動く存在」へと進化。以下は一部の具体例です:
ファイル・データの管理
- ローカルPCのファイル検索、編集、整理、フォルダ操作
- Google DriveやNotion、SQLiteのデータへのアクセス
情報収集・リサーチ
- Brave Searchなどを使った検索や、特定サイトのスクレイピング
- 社内マニュアルやデータベースへのアクセス
チーム連携と業務支援
- SlackやTeamsへの投稿、要約、Gmailの送信
- GitHubのPR作成やコード操作
タスクの自動化
- ウェブ操作の自動化(例:ホテル予約、資料ダウンロード)
- 一連の業務フローをAIがまるごと実行(例:検索→資料作成→保存)
コンテンツ生成・編集
- コーディング、資料作成、ルールに基づいた文書生成
- 将来的にはPhotoshopやPremiere Proとの連携も期待
スケジュール・設計支援
- Googleカレンダー管理、予定追加
- FigmaやZapierとの連携
MCPサーバーの導入方法と必要な知識
MCPサーバーは、誰でも構築可能な軽量なプログラムです。開発者向けのサンプルコードも公開されており、Node.js や Python 環境があれば導入が可能です。
セットアップの流れ(例)
- MCPサーバー用のコードをGitHubなどから取得
- 必要な依存パッケージをインストール
CLDesktopConfig.json
(Claudeなどの設定ファイル)を編集し、サーバー登録- Claude DesktopやCursorなどから動作確認
※ 技術知識が必要なため、一般ユーザーにはややハードルがありますが、今後GUI化や簡易ツール化が進めば導入も容易になるでしょう。
なぜ今MCPが注目されているのか
- ChatGPTやClaudeなど、AI自体が“動く”ための標準仕様として業界が採用
- ノーコード・ローコードツールと連携することでエンジニアでなくても自動化が可能
- SaaSアプリケーションの使い方自体が根本から変わる可能性
- 既に1000種類を超えるMCPサーバーが存在し、日々進化中
MCPの将来性と可能性
MCPの登場により、私たちは「ツールを操作する側」から「AIにやってもらう側」へと立場が変わりつつあります。
今後期待される進化:
- あらゆる業務の自動化:営業支援、経理処理、資料作成など
- AI個人秘書の実現:1人1エージェント構想の実現
- 自社MCPサーバー開発による業務ノウハウのAI化
まとめ
MCP(Model Context Protocol)は、AIがツールやデータと連携して**“自ら動く”存在へと進化するための鍵**です。
あなたが指示を出すだけで、メール送信・資料作成・ファイル整理までを自動でやってくれる――そんな時代がすぐそこまで来ています。
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